”破壊が無ければ再生は無い 生命の循環の永遠の形 真実の種から産まれた木”

MorningParkには大きな樹が生えていて、世界中の色とりどりの美しい花が咲き、あらゆる果物の実がなります。

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それはこの木を育む栄養になって、実をつけ、花を咲かせ、ここを訪れた旅人を癒します。

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『最後の日に』(童話)
 えんちゃん E-MAILWEB  - 02/11/18(月) 12:40 -

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   最後の日に

 風の強い日。僕は、死ぬことになりそうだ。みんなも一緒だから、怖くはない。僕は夏の間、生きたから。青い空に手を伸ばす一枚の葉として。だから僕はいつでも旅立つ準備は出来ている。
 僕の人生は、一体なんだったのだろう。あたりまえのことをあたりまえのように。そして僕は、死ぬ。
 だから僕は母さんに、聞いた。
「母さん、僕は死んだらどうなるのですか? みんな死んでいきます。母さん、僕らはどうなるのですか。」
 木は答えた。
「あなたは生まれ変わるのよ。さらに大きく広く、素晴らしいものへと。」
 葉は頭の中で何度もその言葉を繰り返した。だけれど、わからなかった。

強い強い風が吹いた。その一枚の葉は、音も無く枝から離れ何度か舞い、大地へ落ちた。彼の意識は少しずつ薄れていった。生まれ変わったら自分は何になるのだろう。自分はなぜ生きたのだろう。

彼は生まれ変わった。
そして、土になった。

始まりの日に、僕は自分の中に何か大きな力を感じた。だけど、それが何か僕にはわからなかった。ただ、それはとても暖かく、優しかった。
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『最後の日に』(童話) えんちゃん 02/11/18(月) 12:40

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